学校卒業後、大手居酒屋チェーンへ就職し、2年後に1つのお店のキッチンを任されるようになったのですが、ステップアップしなければいけない時期が来ました。

転職する業界は自分が好きな分野に絞りました。

天ぷらかイタリアン。

天ぷら

　　　　イタリアン

天ぷら

　　　　イタリアン

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悩みに悩み、自分で決断できず

錦糸町駅ビルの手相占いで決めました。（当時26歳）

※先日取材で「どうしてイタリアンの料理人になったのですか？」ときかれたのですが、まさか手相で決めたとは言えませんでした（笑）

イタリアン、最初の勤め先はお台場のレストラン。

お客さんに、柴田恭兵さんや、香取慎吾さんなど、毎日のように芸能人が訪れるレストランでした。
有名人を見慣れていないので、毎日が興奮状態です。

大きなテラスからは海が一望でき、ベンツやBMW、ポルシェに乗ってやってくるお客さん。

六本木の薄暗い雑居ビルから来た僕にとってはとても現実とは思えない世界でした。

でも、仕事の方はというと・・・

「ボンジョールノ」、「グラーツィエ」、「プロント」・・・
初めて聞くわけのわからない言葉・・・・

しかもシェフがイタリア人
「○×△×△○・・・・」

ちんぷんかんぷんとはまさにこの事。

和食とイタリアンでは調理法も違うため大苦戦です。

一緒に働くスタッフは、有名フレンチ、〇〇ホテル出身など、そうそうたるメンバー。

居酒屋出身というだけで周りから見下されました。

６歳年下のコックから「そんなことも知らないんですかー、大丈夫？」とバカにされたり、出勤して挨拶しても無視されたり、仕事をもらえなかったり、いじめのような状態にあってました。

なぜ周りのスタッフからの風当たりが強かったかというと、この会社には２番手（シェフの補佐役）候補として入社したからです。

前職で１つのお店のキッチンを任されていた経験を買われ、会社からは「若いスタッフをまとめて、シェフの補佐をして欲しい」と期待されていたのです。

給料も周りのスタッフより多くもらっていたので、当然周りからは白い目で見られていました。

「宮下さ～ん、高給取りなんだからしっかりしてやってくださいよー（怒）」なんて感じです。

入社して半年間はとにかく耐えることと新しいことの吸収に全力を注ぎました。

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周りからバカにされても笑ってスルー。
頼まれた仕事はどんなことでもやり

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特に、みんながやりたがらない早朝の仕事を率先してやり続けたことで、徐々に信頼を得られるようになってきました。

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キッチン裏に喫煙所があり、以前僕が行くとみんなサァーといなくなっていたのですが、徐々に、１人、２人と話し相手が増えていき、そのうちシェフや会社の愚痴を僕に言ってきたり、悩みを相談されるまでになってきました。

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そして、2年目で目標のスーシェフ（副料理長）になることができたのです。

お台場で仕事が順調に進んでいた頃、シェフの交代がありました。
新しく来たシェフはバリバリのイタリア修行帰り。
会話の所々にイタリア語を絡めてきて「スネオみたいだなぁ」笑

そのシェフとの出会いが２回めの転機へと変わります。

彼はイタリア、ボローニャで６年間生パスタを学んできた人でした。
話し好きで僕に毎日イタリアの話をしてくれたんです。

ボローニャ、ヴェネツィア、フィレンツェ・・・
修行先の話を聞いているうちに、自分もイタリアへ修行に行くのが「あたりまえ」という風な考えになっていました。

そして30歳。
迷いなく奥さんと一緒にボローニャへ渡ります。

続く・・・